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白倉集落のこえ

​食べ手の皆さんのことを知りたい。作り手の私たちのことを知って欲しい。食べてくれる人の顔を思い浮かべながら作物を作りたい。そんな気持ちが、このサイトを作るきっかけになりました。つながってくださることを楽しみにしています。

白倉集落でインタビューを受ける中村庄平さn

​中村 庄平

​〈64歳〉

米作りを行って苦労したことは

 親父が他界して、27歳のころから親父の田んぼを引き継ぎ自分の責任でやらざるを得なくなった時には必死でした。会社から1年間奉公すると独立させてやると言われ、独立してからは今までの仕事を自営で行いながらの農家と二足のわらじを履いていましたね。そのなかでも研究に研究を重ね「少しでもおいしい米を」と行動を続けました。そう言ったことを続けていくと時が経つわけですよ。そうするとコメ作りにも今と昔で天と地の違いがあります。昔は植えて水さえ入れておけば後は秋収穫するだけだったがいまは、苗を植えてから水の管理、酸素を土の中に入れるために田んぼを耕したり、そうすることによって稲の根をしっかりとさせる。そうすると稲がしっかり養分を吸ってくれる。そういった作業が増えていきましたね。

 集落から人が減っていき、そうすると耕作放棄地が増え、山が荒れタヌキ、イノシシ、シカといった動物が出てくるので山は荒らさない・田んぼを荒らさない。これは我々の宿命もあらんね。景観を大事にしなさいというのがみんなの共通の意識ですね。

 

この集落のお米がおいしい理由は

 化学肥料でない二次加工品。そういったものを田んぼに入れる。もみ殻であったり、化学肥料でない有機肥料っていうものを入れたり。化学肥料は入ってはいるんですけど入れる量を少なめにして低農薬ということに気をつけてますね。

 そういったことをすると手間は増えますけども食味を保つためには自分はどっかで努力しないと人と同じことをしていたんではおいしいものはできないし、価値が出ない。人以上に動かなければ、体を動かさなければ、作業をしないと良いものは採れない。人と同じことをしたら人と同じものしかできない。人以上に努力して初めておいしいものが採れる。有名な湧き水といった利点もある。

 棚田で作っているということで清水が入ってくる。若干ではあるけども新しい土が入ってきて、それが養分になっていく。棚田だと温暖の差が激しくて朝霧が出る。朝霧が出るところは温暖の差が大きくて米に身がしっかりつくんですね。条件に恵まれているんだな。

 

白倉地区の一番の魅力は

 人間だね。優しさ、親しみやすさ、集落の中が親類のような付き合いができる。何か農作業をしていると隣の人が手伝いに来てくれたり、手伝いに入ったり。何かの祭日だとごちそうを持っておすそ分けすると、また別の祭日にごちそうのおすそ分けをくれる。何かあるってことになると80歳の方までも腰を曲げながら集まってきてくれる。こういう人間関係がこの白倉地区の一番の魅力だね。

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